現役ナースの独り言 

病院のエピソードや、健康情報を伝えていきます。

患者さんとの心のケア

こんにちは。

ナースの独り言です。

 

 

看護師の仕事には、身体的なケアだけでなく、

患者さんの心のケアも含まれています。

 

患者さんは入院生活を送る中で、

寂しさや不安な気持ちを抱えることがあります。

 

そんな時、看護師は患者さんの気持ちを受け止め、

話を聴くことで、心の支えとなっていくのです。

 

コミュニケーションは、

看護師と患者さんが心を通わせる大切な手段の一つです。

 

患者さんが話しやすい環境を作るために、

看護師は、患者さんの話・・・というより、

患者さん自身に興味を持ち、積極的に関わろうとします。

 

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難しいところは、相手が唯一無二の人間であるため、同じ言葉かけでも、「受け取り方」が異なること。

 

人によって、心地よく感じる距離感が違うこと。

 

触れられたら嫌な話の内容が人それぞれ違うこと(地雷ってやつですね)。

 

嘘をついてほしくない人と、なるべく悪い情報は聞きたくない人。

 

いろんな人がいるので、

まずはその人を「観察」します。

 

その人がどういう対応をしたら心を開いてくれるのか

心地よく過ごしてもらえるのか

そもそも話をしたいのか、したくないのか

励まして欲しいのか、ほしくないのか

 

これを誤ると、大変なことになります。

 

私も何度も「うるさい」「放っておけ」叱られましたし、

嫌われたと思います(笑)

 

基本、患者さんのことを知ろう!!という

患者さん目線の、患者さんの立場になって・・・

というような真摯な気持ちで向き合えば、

対応を間違えることは少なくなるものです。

 

そして、適切なタイミングで話を切り上げ、

今、どこまで干渉するのかを的確に判断することも必要です。

 

急がば回れ・・・焦ってもいいことはないです。

引き際を大切にすることが、逆に信頼関係を築き上げます。

 

そして、次に大切なこと。

 

それは

コミュニケーションは、

言葉のやり取りだけではないということです。

 

言語的なコミュニケーションが難しい場合は、

その場に黙っていること、患者さんと一緒の空間にいること

背中をさすったり、手を握ったり、目線を合わせたり

全受容の態度で、笑顔で接すること・・・

そんなこともコミュニケーションの一つなのです。

 

患者さんの身体的なケアを通して

毎日毎日繰り返しながら、

信頼関係を築いていくと

ある時、患者さんの方から、とても大切な話をしてくれる場合があります。

 

その時はどんな内容であっても

どーんと受け止める器が必須です。

 

「話す」ことは「放す」「離す」ともいえます。

 

誰にも言えなかった不安や苦しみを看護師に話すことで、

心の支えが取れたり、不安が軽くなったり、闘病意欲が湧いたりするのものなのです。

 

看護師は医師のように疾患を治すことはできませんが、

これは医師にはできない看護師の役割の一つだと思います。

 

 

ただ、以上のことは、正直言って心理的な負担もあります。

 

看護師自身も心理的なケアを必要とすることがよくあります。

 

患者さんとの触れ合いや、予期せぬトラブルに直面した場合には、

ストレスを感じることもたくさんあります。

 

そのため、看護師たちは、同僚と情報交換をすることで、

気持ちを共有し、支え合っているんですよ(単なる愚痴になることもある)

 

ただ、患者さんが笑顔で退院するために、

そして家族が安心できるように

そして残りの人生の時間が少ない人には、悔いなく過ごしてもらえるように

看護師たちは常に心を込めたケアを提供しています。

 

そして、それには何より

看護師自身も、心身ともに健康であることが、

質の高い医療サービスを提供するために欠かせないことなんです。

 

お互い人間ですからね・・・。

 

苦しみや痛みに直面すると、人間って本性が出ます。

 

人に対しての思いやりや優しさは、

自分が満たされていないと発揮できません。

なので仕方ないことなのかもしれません。

 

ただ、看護師が、患者さんの一方的にぶつけられる

サンドバックになる場合もあるんです。

 

毎年、心を病んで、離職する看護師がいることも事実です。

 

看護師も患者さんも、

できるだけお互い思いやりを持って行けたら良いなと思うのです。