こんにちは。
ナースの独り言です。
看護師が使う「看護用語」みたいなものが存在します。
一般の会話には出てこないので、
一度聞いただけではわからない方も多いかもしれません。
しかし、患者さんが知らない方がいいこともあります。
私は一人目を出産した時に、先生一人で回している個人病院で出産したのですが、
子宮口マックスで、あとは先生まち!!ってなった時に、
先生がすぐ来なかったんです。
「マジで」
「ふざけんな」
「バカヤロウ」
「死ぬ」
「くそ」
「早くしろ」
「我慢できない」
と心の中で思いつく限りの悪い言葉を思いながらも、
あまりの痛さに、うなることしかできなかったんですね。
その時に、頭の上あたりで、看護師同士、コソコソ話す声が聞こえてきました。
「先生遅いね・・」
「なんかね、○号室のカイザーの包交終わったら来るみたい・・」
「はああああああ??
○号室のカイザーの包交終わったら来るみたい・・・??」
看護師の私は、意味がわかってしまいましたw
カイザーとは「帝王切開」
包交とは「術後の傷などの消毒、ガーゼ交換」などをいいます。
包帯交換の略なのかな?
要は、「先生は帝王切開後の傷の消毒などが終わったら来る」ってことを看護師たちは言っていたんです。
私は頭の中が沸騰するようでした。
「包交なんてあとでいいだろ!!優先すべきはこっちだろ!!早くしろよおおおおお、ゴルアアあああああ!」←陣痛が痛すぎて一切言えなかったけどw
この時ほど、人に殺意を抱いたことはありません(笑)
きっと患者さんは、看護師が何を言っているのかを、
はっきり知らないことがいいこともあるのかもしれません。
しかしながら・・
しかしながらのあえてです。
ここでは、ネタバレ的な、しかし役に立ちそうにない
別に知らなくて良いもの、いや知らない方がいいもの
を選んでお届けしたいと思います。
なんだよ!看護師はみんな白衣の天使じゃないんだな!!
夢をかえせ!!
知らなきゃよかった!!的なクレームには
応じられませんので悪しからず・・・
(看護師もしょせんただの人間なんですよ)
プシコ、プシ、Pちゃん、P
psychiatry(英語)psychologie(ドイツ語)からきています。
「精神科」という意味ですが、
言いがかり的なクレーム連発する人、異常に手がかかる人、
こちらの言うことが通じない人
対応にものすごい気をつけなければならない人など、
かなりネガティブな意味で使われます。もちろん本人にはいいません。
対応注意の人のカルテの隅に「P」と描かれていた病院もありました。
それをみて、看護師も医師も会計係も薬剤師も「ああ・・・」と察するわけです。
例:あの部屋の人「P」だから気をつけて
生保(せいほ、なまぽ)
「生活保護」の略です。
こちらもネガティブな意味で使われます。
「生活保護」に関しては普段は私たちナースは何も思いません。
しかし、該当する方が、必要以上の対応やクレームを言ってくると
「生保なのに(怒)」と言う言葉が出てくることがあるのです。
医療費払ってないんだから、払っている人よりクレームつけるのはおかしいよねということを愚痴っています。もちろん本人にはいいませんけども。
(差別は良くない!!という言葉もあるでしょう。しかし、どこでもこういう言葉を言うナースは出てきていたので、これが現実です。実際、生保の人で、おかしいくらい、口うるさくクレームいう人、必要以上の要求をする患者さんはいます。そういう時にのみ発動します。)
ステりそう、ステる
亡くなることを指しています。
sterben(ドイツ語)からきています。
例:今日、○さんステりそうだな・・
アポる、アポった
apoplexie(ドイツ語)、apoplexy(英語)からきています。
ついてる
勤務時間に担当していた患者さんがなくなることを指します。
当たるのが多い人というのは、病棟で必ず一人はいて、
そういうスタッフはお祓いを勧められたりしていたので、
「憑いてる」からきているのかもしれません。
例:最近あなたついてるよね
いかがでしょうか?
ほんの一部ですけど、書いてみました。
医療界の隠語的なものはもっとたくさんあります。
(テレビの業界用語と同じですね)
これらはあくまでも現場でのみ、さらっとこそっと使われるものですので
耳にすることはないかもしれません。