現役ナースの独り言 

病院のエピソードや、健康情報を伝えていきます。

死を目前にする人が後悔すること

こんにちは。
ナースの独り言です。

 

私は大学病院の病棟に16年間勤めてきました。

病棟では、毎日のように誰がか亡くなり、

「死」を間近に感じながら生きている人のお世話をさせていただいていたわけです。

 

特に、特別室勤務では、

個室代が十分に払えるくらいの裕福な方、

社会的地位の高い方ばかりでしたので、

お金でも解決できない、

どうしようもない、自らの「死」に対する色々な思いを

間近で見てきました。

 

看護師はいい意味でも悪い意味でも

かなりその人の人生に入り込みますから、

ふと、本音を漏らされることもあり、

その中でも「自分の人生に対する後悔」を話される方が多かった気がします。

 

その中でも印象に残った内容をシェアしたいと思います。

 

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1.もっと旅行をしておけばよかった

病気になって、定期的に受信するようになると、ましてや入院すると

旅行には気軽には行かれなくなります。

行きたいところがあれば、国内海外限らずに、言っておいた方が良いのです。

 

2.もっと勉強をしておけばよかった

親の希望通りの進路を選んだとか、留学をしたかったけど諦めたとか

勉強したいことがあったけど、

まだまだ時間があると思って後回しにしてきたとか、色々あります。

学びたいことは後回しにせずに学びましょう!!

 

3.もっと時間を大切にしておけばよかった

病気になる前は、明日も明後日も、1ヶ月後も半年後も1年後も

普通に時間があると思ってきたという方が多かったです。

病気になって、残りの時間の期限が思っているよりずっと短いので

絶望的になる人も多いです。

 

4.もっと家族を大事にすればよかった

奥さんやご主人、親、息子、娘、兄弟姉妹、

人が集まって生活している場では

何かしらのしがらみがあるものです。

もし家族の中で、関係が良好でない人がいて、

明日別れなければならないと考えた時に

後悔しそうであれば、今のうちに大切にしてください。

 

5.もっと仕事を休んで自分の好きなことをしておけばよかった

特別室は社会的地位が高い人が多かった分、

自分の人生、家族、時間を犠牲にして、働いてきた人が多かったです。

お金は得られても、使える時間がなければ意味がない。

もしかしたら、そんなに自分の人生に

お金も必要じゃなかったのかもしれない。

そんなことを思う人もいらっしゃいました。

残りの人生が限られていると実感した今、

好きなことを・・と思っても、

体が思うように動かな苦なっている時の絶望感は

おそらく想像を超えると思います。

 

6.好きな人に好きだと伝えておけばよかった

これは学生時代のことを言っていました。

つまらないプライドや、嫌われるかもしれない不安。

そんなことは今から考えると

本当にちっぽけなことだったとお話してくれる人が多かったです。

 

7.もっと人に優しくしておけばよかった

死期が近づいていると感じると、人は懺悔するものなのかもしれません。

自分がこの世からいなくなることで

人々の記憶から忘れ去られる恐怖から、

何か人にいい印象を与えて死にたいという、

承認欲求的なものもある気がしました。

そして意地悪も怒りも恨みつらみも

エネルギーがかなり必要です。

どんなに看護師に怒鳴りまくっていた患者さんも

病気が進行して体力がなくなるにつれて、静かに穏やかになっていきます。

激しい感情を出しているうちは、ある意味「元気」なんですよね。

 

8.あの夢を叶えておけばよかった

「好きなことをすればよかった」と重なる部分があります。

多くの人は、死を目前にして、自分ももれなく死ぬことを知ります。

いつでも叶えられると思っていた、

当時は生活するだけで精一杯だった・・・

などいろんな理由があるのかもしれませんが、

人生のどこかで夢を諦めた人は、必ず後悔するようです。

 

9.もっと自分のことを表現しておけばよかった

これは、相手に伝えておけばよかったという、コミュニケーション的なことから

仕事などで自分を「表現」しておけばよかったなど

いろんな意味があります。

「体」という物質があるからこそ、

私たちは表現ができるわけです。

体があるうちに、体があるからこそできることを

やっていきたいですね。

 

10.ごめんねと言って仲直りしておけばよかった。

これは結構多かったと思います。

その時は、真剣に腹を立てていても、

振り返ってみたら

つまらない意地を張っていたな・・と思うようです。

これは、相手が亡くなってしまっても思うことのようです。

かつてケンカした人がまだ生きているのなら、

「ごめんね」をいうことを考えて見てもいいのではないでしょうか。

 

 

今の体で、今の自分で

生きるのは

この人生だけです。

 

そして、今周りにいる人も、

今だけの限定です。

もし生まれ変わりがあるとしても、

次の新しい人生は、今と同じメンバーとは限りません。

 

だとすると、「今」は本当に尊いんですよね。