レビー小体型認知症と診断された母の経過 #2
読んでいただいてありがとうございます。
レビー小体型認知症と診断された母の経過 #1
の続きです。
母の様子が明らかにおかしいと母の夫、テツさんは思っていましたが、
プライドの高い母は「私はボケてなんていない!!」と怒り出しなかなか病院にいくことはありませんでした。
テツさんも、昔、母と不倫していたこともあり、私と妹に対しての申し訳なさから「迷惑をかけられない」という遠慮があったと思います。
私と妹に母の状況を打ち明けることはなく、一人で抱え込んでいたようです。
2018年の初夏に、母とテツさんは旅行に行きますが
「正直、母が大浴場から部屋に帰ってこられる気がしていなかった」と
だいぶ後に私に話しています。母はフロントの人などに聞きながら帰ってきたようです。
もうその頃には、母はかなりおかしかったのでしょう。
受診を決めたきっかけ
2018年夏に、母が友人とトラブルに。
友人とランチをした時に、どうやら自分の分を支払わなかったらしいのです。
「お金を払う」ということを、すっかり忘れていて、それが原因で友人から避けられるようになってしまった??ようです。
(プライドの高い母はそんなことは絶対に私に話さないゆえ、これはテツさんから聞きました。今はテツさんは亡くなっているので詳しい経緯はわからず)
あとで自分の失態に気づいて、自分のしたことにショックだった母は、ようやく「物忘れ外来」にいく決心をします。
レビー小体型認知症と診断される
2018年秋に自宅近くの脳神経専門の病院に行き、検査を受けました。
「脳への血流が普通の人より悪いと言われた」と母から聞きましたが、そのほか詳しいことはわからず。(降圧剤が血流を悪くしていたのではないかと個人的には思いますが、まあ飲むなって言っても聞き入れてくれませんでしたよね。しかしこれはまた別の話なので、またの機会に)
この病院で「レビー小体型認知症」と診断されました。
アリセプトが処方され、「1年後にまた来てください」と言われ、「治療とかしないのか・・・」と途方にくれるテツさん。
ここで、私は初めてテツさんから母の現状を知り、相談を受けました。
自宅近くの入院施設のある精神科の病院に通うようになります。
やることは脳神経専門病院となんら変わりなく、先生と話をするためだけに1ー2ヶ月に1回の通院でしたが、それでもテツさんも母も医療機関と定期的に繋がれることで、心強く感じたようです。
この頃の母は、私が実家に遊びに行くと、やたら陽気でハイテンションでした。
「痩せない痩せない」と昔はあんなに悩んでいたのに、あれよあれよと10キロほど痩せてしまいました。きっと自分が自分でなくなることに不安でいっぱいだったのでしょうが、母は娘の私の前では決して弱いところを見せませんでした。
毎朝ウォーキングに行ったり、料理も自分でしていました。
何度も何度も同じことを話す以外は、特段変なところはありませんでした。
繰り返し繰り返し聞かされる話に「もうそれ聞いたよ」とか言うと「しゅん・・・」としてしまうので、ひたすら初めて聞くふりをしていました。
携帯のメッセージの誤字脱字が多くなる
月に一回程度ですが、会いに行くと、特段変わりのない母に見えましたが、2019年あたりから携帯のメッセージの誤字脱字がやたらと増えました。
テツさんは、毎日お弁当を作って欲しいと母にお願いしていたようで、母もそれを励みにお弁当作りをしていました。
だんだん凝ったものは作れなくなり、品数も減っていきました。
遊びに行くたびに、「テツさんのお弁当の残りだけど・・・」と、私や息子にもお弁当を作ってくれました。母の手作りのお弁当はこれが最後かもしれない・・・忘れないように大事に食べよう・・・と思いながら息子と食べていましたね。
最後に作ってくれたのが(最後だと思ってなかったけど、結果最後になってしまった)チーズとノリと鶏のささみのカツ。油の温度がうまくできず、かなり油っぽかったその味はきっと一生忘れません。
被害妄想がひどくなる
2019年冬に喧嘩がきっかけになり、母とテツさんの寝室が別に。
喧嘩の原因は、母の被害妄想。
8歳年下のテツさんの浮気を疑って、少しでも仕事の帰りが遅くなると「お姉ちゃんのところに行ったに違いない!!」と母が責めていたそうです。
「あんなに優しくて尽くしてくれてる旦那さん、少しくらいお姉ちゃんのところに行ったっていいじゃない!!お母さんの器が小さい!!」
と私も妹もテツさんの味方でしたが、テツさんは事実無根だと(笑)完全な母の被害妄想でした。
テツさんは「怒られるのはまだ良い、無視が一番つらい。」と言っていました。
母は怒ると1週間口きかないとかザラですからね。
それでも、私たちが何か手伝うことはあるかとテツさんに声をかけると「俺が最後まで面倒見るから大丈夫」と言って聞きませんでした。
お母さん、私が小さい時から、男運が悪いってずっと言ってたけど、最後に良い男を捕まえたと心から思いました(笑)
私は仕事柄、多くの認知症の方を見てきました。
認知症になると、今まで本人が押さえてきたものも、一気に表に出てくると思います。
本当に時々「性」に対して開放的になってしまう方もいますが
主に「お金が盗まれた」的なお金に関する被害妄想が多いイメージです。
しかし母の場合は、お金に関する妄想は今現在も一切ないですね。
ギャンブル依存症の父との結婚生活や、母の子ども時代の貧乏経験などから考えると、母が「お金」に固執しないのはとても意外でした。
その代わり「男性に対する恨み」「不信感」みたいなのが強く出ています。
私がもし認知症になったら、何が出てくるのか・・・不安(笑)
続きます。